Maeda Dental Clinic まえだ歯科

Doctor's Column
院長コラム

夏よ、さようなら!また来年。。

皆様、いかがお過ごしでしょうか?
まだ時々暑い日もありますが、段々と日差しも柔らかくなり、涼しい風を肌で感じることも多くなり、次第に秋めいて参りました。
当院では例年、お盆、年末年始のお休みは比較的長く頂いております。休みを利用して遠出をすることが多いです。今年は関東を回ったり、色々なところに出かけてきました。

先ず、お台場の音楽イベントを観に行き、次の日に、東京から新幹線で1時間程の静岡県の三島にある「 大岡まこと ことば館 」で行われていた、「新海誠展」に足を運びました。昨年大ヒットした映画「君の名は。」の監督としてご存じの方も多いと思います。感動的なストーリーと、緻密で繊細な風景の描写で、上映後すぐに爆発的なヒットとなり、社会現象にもなりましたよね。1年間というロングラン上映、世界規模での上映、映画の舞台を訪れる「聖地巡礼」なども話題になりましたね。8月にはDVDも発売され、静かなブームはまだ続いているように感じます。最近ではハリウッドで実写化が決定したようです( ^^)

私もこの映画を観て、凄くいいなぁ、、と思いました。
大切なことを思い出させてくれるような、言葉では表せられないような、
そんな気持になりましたね。

キャッチフレーズの

「まだ会ったことのない君を探している。」

「出会うことのない二人の出逢い」

「私たちは絶対、会えばきっとすぐにわかる」

☆主人公の2人は劇中では三度出会っていますが、お互いがお互いのことをしっかりと認識できているのは1度だけ。。ラストは再会を果たすハッピーエンドになっていますが、その時もお互いを完全に認識できているわけではありません。そのようなせつない部分も内包しているのが、この作品の魅力でしょうか。せつない心理描写を繊細な風景、映像と音楽の融合によって表現し、作品をより魅力的なものに仕上げているように思います。
そして、本当に、細部まで丁寧に作り込まれている印象を受けます。

三葉は瀧を探しに飛騨から東京に向かう                           三葉は滑り込んできた電車の中に瀧の姿をみつける

☆1回目の出逢い     電車に飛び乗り、瀧に声を掛ける三葉

「瀧君、  瀧君、覚えて、、ない、、?」

3年の時間差があるため、三葉のことが分からない瀧                                  ショックを受ける三葉。。

「お前、誰?」

失意のまま電車を降りようとする三葉に瀧は「あの、名前はー!!」 と叫ぶ

三葉「名前は、三葉ー!!」    とっさに髪留めの組紐を外して瀧に投げる

3年の時間差のため、同じ場所に居ても、お互いの姿を見ることが出来ない。       ☆2回目の出会い  黄昏時(カタワレドキ) が訪れ、奇跡の出会いを果たす

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目の前に瀧が現れ、喜ぶ三葉                             お互いの名前えお忘れないように、ペンで手に名前を書き合う2人

カタワレドキが終わり、三葉は目の前から消えてしまう。

そしてお互いの記憶も次第に薄れていく。。

☆3回目の出逢い    いつも何かを探している そんな気持ちに取りつかれながら、東京でくらしている二人。。

向かいの電車にお互いを見つける瀧と三葉

「私たちは絶対、会えばきっとすぐに分かる」

☆ラストシーン 電車を降りてお互いを探す二人 微かな感覚をもとに、感動の再会を果たす三葉と瀧

「君の、名前は。。?」

今回の「新海誠展」では、この新海監督の世界観を、デビューからの作品の制作、絵コンテなどを展示し、様々な工夫を凝らしながら表現していました。
作品のブース毎に印象の強いフレーズを天井から吊るしたり、それぞれの作品の主題歌や挿入歌をバックに流したりして、臨場感が溢れてきます、、

新海誠作品は綺麗な映像に注目が集まっていますが、こうやって見ると、言葉というものも凄く大切にしていて、そして何よりも音楽に相当なこだわりがあるように思いますね。

この展覧会では、山崎まさよしの「One more time,One more chance」、秦基博の「Rain」、そしてRADWIMPSの「スパークル」が流れていましたが、映画の世界観に凄くマッチしていて、もう曲を聴くだけで、情景が浮かんでくるようです、、ホントに。

君の名は。では主題歌、挿入歌を含めて、殆どの音楽をRADWIMPSが担当

そういったものを組み合わせて、独特の世界観を作りあげている。本当に素晴らしいです。。((´∀`)
これはもう、言葉では表現しきれないので、新海誠作品を観たことのない方は、是非、作品を見てください( ^^) ☆

自分は「君の名は。」以外の監督の作品を観たことはありませんでしたが、展覧会では他の作品も含め、思春期の若者の青春の描写、そして切なさを漂わせる郷愁の描写に思わず浸ってしまい、あっという間に2時間程が過ぎてしまいました。。

そして、最後のブースで新海監督もコメンしていましたが、自身の過去作品という過程を経た上での、積み上げた上での、集大成の「君の名は。」なんだなということを実感しましたね。。それと、アニメーション映画というのは、自分だけで作っている訳ではなくて、アーティストやスペシャリスト、その他諸々の作業を行うアシスタントが集まって、チームで製作を行っているんだということも強調していました。

この日は「君の名は。」という映画を深く堪能できた一日になりました。
そして内面が豊かになり、色々と勉強にもなった一日でした。
分野は違えど、やはり一流の人の仕事は凄いです。

展覧会の後、物販で新海誠展限定の、かなり厚めの画集などを購入したのですが、今年の夏は関東は晴れの日が少なく、この日も雨降りでした。玄関で雨が小降りになるのを待っていると、店員さんがやってきて、画集が濡れないようにと、わざわざビニールで紙袋を厳重に包んでくれました。この時の気遣いに、あぁ、このことば館のスタッフの方々は、やっぱり作品というものを凄く大切にしているんだなぁと思い、感心したのと同時に、すこし嬉しい気持ちになりました( ^^)

絵コンテ

様々な趣向を凝らした展覧会の様子

☆君の名は。ラストシーンは東京 四谷の須賀神社の階段☆

今年もなかなか良い夏休みを過ごすことが出来て、良かったです。
気が付くと今年もあと、3か月、、本当に早いですね~
秋~年末まで、また診療、しかっり頑張って行きたいと思います。

最後に、最近、当院通院中の女性の患者さんが、「ブログ見てます」、と声を掛けて下さいました。

わりと時間を掛けて書いているので、このようなお声を掛けて頂くと、素直に嬉しいです。

ブログ、見て頂いて、本当にありがとうございます。(^^♪☆

第35回日本顎咬合学会で学会発表を行ってきました

少し前になりますが、第35回日本顎咬合学会で学会発表を行ってきました

昨年に続き、東京国際フォーラムで開催された第35回日本顎咬合学会で、一般口演にて症例発表を行ってきました。
今回も当院歯科衛生2名、学会に参加、しっかりと勉強を行ってきました。
自身の発表では、発表前に予演会をして頂いた公園前中山歯科の中山先生、当症例のインプラント上部構造(歯の部分)の技工を担当して頂いた東京世田谷区開業の歯科技工士の真野さん、大学同期で北海道野幌開業の堀井先生、市川総合病院勤務時代に
外勤で色々とお世話になった千葉県茂原市開業の国松先生に、口演の聴講に来て頂きました。

演題は 「患者ニーズに応じた上顎臼歯部インプラント治療」

歯を種々の原因で喪失した場合の治療法として、インプラント治療は、いくつかの注意事項はあるものの、治療法が確立されたものとして認知されているといって良いと思いますが、治療を行う部位(奥歯か前歯か、上顎か下顎か、)によって状況が異なり、当然、難易度も違ってきます。

今回テーマにしている上顎臼歯部(奥歯)は、上顎の上方に位置する上顎洞(副鼻腔の一つ)の存在により、インプラントを入れる部分の骨の量(特に高さ)が少ない場合が多く、また、骨の密度が低く、骨質が柔らかいため、インプラントを埋入した際の固定具合(初期固定)も低くなることが多く、比較的、治療の難易度が高い傾向があります。

骨が少ない場合の対処法として、サイナスリフト、ソケットリフト(上顎洞底挙上術)があります。(ホームページのインプラント治療の項目もご参照下さい!)
一般的な基準として、骨の高さが4mm
を基準にそれ以上の場合はソケットリフト、
それ以下の場合はサイナスリフトを選択します。
サイナスリフトは外来手術では比較的大きな手術の分類になります。

今回の症例発表では、サイナスリフトを避ける代替案の治療として、上顎洞の前方および上顎結節部へ、インプラントを斜めに埋入する、傾斜埋入を用いた治療法を紹介しています。この治療法がいかなる場合でも適用できる場合ではありませんが、条件が合う場合は、サイナスリフトを回避する一つのオプションとして、有効であると感じています。

限られた骨の中にピンポイントでインプラントを「埋入していくため、通常のやり方ではかなり難易度が高くなりますが、私が行っているガイデッドサージェリーを用いると、そのような部位でも術前のプランニングをしっかりと行っておけば、比較的スムーズに手術を進めることが可能です。
私自身、最近はこのガイデッドサージェリーを駆使して、様々な症例で治療成果を上げております。
発表ではガイドを用いた場合の外科手技と、その後の上部構造(土台および歯の部分)作製についての注意点、工夫点などをプレゼンテーションしました。

座長の先生からの質問では、傾斜埋入したインプラントのセルフケアの行い方、期間についての質問がありました。現在インプラントの周囲の清掃器具としてセルフケア用の「ぺリオブラシ」を使用していること、メンテナンスの期間として1~2カ月の間隔で行っていることなどを返答しました。それに対し、傾斜埋入したインプラントは、傾斜側の下部が仮性のポケットになり易いため、セルフケアが行いにくく、メンテナンスの期間を2~3週間にしたほうが良いのではないかなどのご指摘をいただきました。
ここで重要なこととして、患者さんからもよく質問を受けるのですが、メンテナンス(インプラント周囲の清掃)はどのくらいの間隔が適当かということがあります。これは、上部構造の様式、インプラントの埋入の深さやインプラント周囲組織の状態により、間隔を変えていく必要があるということです。
インプラント治療は、インプラントが骨と結合した後、歯の部分が完成してからのメンテナンスが、長期の安定した状態を維持していくために、本当に大切です。患者さんにもメンテナンスの必要性、重要性をしっかりと認識して頂きたいと考えます。

最後に、いつもガイデッドサージェリーについて、ノーベルガイドプラニング教室において、技術や知識の研賛および症例の相談、発表、報告の機会、を与えて頂いている矢田生協病院の高山賢一先生、発表前にプレゼンのチエックをして頂いた公園前中山歯科の中山先生、津守歯科の津守先生、そして当院のスタッフに感謝の意を述べたいと思います。

そして、今回の学会発表で得たことを、また患者さんにフィードバックしていきたいと考えております。

 

当院の患者さん、前田公子さん(母)の絵画の展覧会に行ってきました!

   

        当院の患者さん、前田公子さん(母)の絵画の展覧会に行ってきました!

            

            会場は前回の西山さんの時と同じく、ビッグ愛展示ホール。

  

     数年前からこの絵画展に出展しており、案内を貰っていましたが、なかなか都合が合わず、今回初めての鑑賞になりました。

           

           

               6~7点出展しておりました(^^
           

               たくさん描いてますね~

       

               前田公子さん、創作活動を楽しんでます!
         

               趣味があるのは、本当にいいことです。。!

               なかなか良い絵画でした((´∀`))☆彡

  

     

       母は、昨年足の疲労骨折を起こして、日常生活の範囲が制限されてしっまた時期がありましたが、

       その間、できることを探して、自宅の庭の葉を絵画の題材にしたそうです。

     

       人間、できる範囲で今やれることを探すと、色々とできることがあるものですよね!(^^)/


シルバー美術展 西山寛躬さん

 

 少し前に、当院に以前から通院されている患者さん、西山寛躬(よしみ)さんが作品を展示されている、シルバー美術展を観に行かせて頂きました。

  

                                  場所はビッグ愛1F 「展示ホール」

   この場所で、定期的に美術展や歯科業者の展示会などが行われていて、私も時々足を運びます。

  西山さんの作品は、西山さんのご実家に、和歌山の偉人、細菌学者の南方熊楠が、長期に渡って泊まられたという、和歌山県日高群川上村にあった、西山さんの、先祖代々のご実家のお屋敷(妹尾屋敷)を題材にしたものです。西山さんが、ご自身の記憶をもとに当時の様子を絵画にした、当時の様子が偲ばれる、とても大きいサイズの力作です!

 

  以前から、西山さんには今回の作品にまつわる資料の写真や、ご自宅の花の写真を大きく引く伸ばしたものを頂いたりしていて、一度、展覧会を見に行かせて頂こうと思っていました。今回、展覧会で実際の作品を見せて頂いて、なかなかの力作だなぁと、感じました。作品を観させて頂いて、本当に良かったです( ^^)

  患者さんのこういった催しものに参加して少しお話しもさせて頂くと、その方の生活が見えてきます。歯科医療も「食」ということを通じて、その人の生活に寄り添ったり、直結したりする部分として、その方の生活に少し入り込むことは大切です。そこから見えてくるものは本当に大きいように思います。

 

                             今年は、南方熊楠生誕150周年の年になるそうですね!(^^)

審美歯周形成外科&補綴 アドバンスコースを受講してきました

      皆様、いかがお過ごしでしょうか。早く、2月も中旬に差し掛かりました。

 今年最初の研修会として、1/14(土)、15 (日) 1/29 (土)、30 (日),大阪 四ツ橋の(株)ヨシダ研修室(創業100年以上の歯科業者の老舗)で、京都でご開業の中田光太郎先生主催の、マイクロスコープを使用した歯周形成外科アドバンスコース(マイクロスコーププラスティックサージェリーアドバンスコース)に参加してきました。中田先生は、歯周形成外科の分野では、本当に著名な先生で、マイクロスコープを使用した手術の素晴らしい仕上がりを学会等で診させていただき、
このアドバンスコースを是非受けてみたいと強く思っていました。

 現在、当院では5年前より根管治療(マイクロエンド)、虫歯治療の一部など、いわゆる歯の保存治療の領域について、マイクロスコープを使用した治療を行っています。ホームページにも書かせて頂いておりますが、マイクロスコープによる拡大視野は、今まで見えない部分を手探りで治療していたものが、細部まで肉眼で診えるようになるため、治療結果も違ってくるように感じます。まさに治療の診える化です。根管治療の領域でいうと、感染源(汚れ)の除去、医原性の歯根外への穿孔(パーフォレーション)、歯根の破折などの検索です。この穿孔や破折があると、 その部分に最近感染がおこり、経過不良になります。CT(立体的な画像)と組み合わせて治療を行うと、そのようなことが、かなり細かくわかるようになり、診断、治療結果に大きな成果をもたらしています。

 マイクロスコープの使用が有効な手術は、主に歯周外科手術、特に歯周形成外科であるといえるでしょう。今回の実習のメインになっております。中田先生もお話しされていましたが、マイクロスコープ使用すると、非常に細かい処置が可能になり、精度があがるため、治癒も早くなり、術後の腫れも出にくくなります。1日目、2日目は、中田先生の講義、マイクロスコープを用いて実習用模型での縫合実習を受けました。マイクロスコープ下での手術は、体の動きを大きくするのではなく、手先を細かく動かして行うことがポイントであると話されていました。そういったことを頭に入れ、意識しながら実習を行いました。
また、実習中も、先生が直接、手技をチェックしてくれたり声を掛けて頂いたりと、受講生ひとりひとりに凄く気を配っておられたのが、本当に印象的でした。先生の技術以上に、周囲に気を配る人間性が正直、凄いなあと感じました。

 ←歯科用マイクロスコープ

 歯周形成外科の種類ですが、色々な要因で歯肉が下がってしまい(歯肉退縮)、歯根が露出してしまった場合の根面被覆術(root cover)、前歯インプラント手術に付随する歯肉増生処置、付着歯肉が不足して歯磨きなどの清掃が行いにくい場合の、付着歯肉獲得手術などがあります。ほとんどの場合、ドナーサイト(採取側)上顎の口蓋部の厚い結合組織といわれる部分を採取し、レシピエントサイト(移植側)に移植します。いわゆる歯肉結合組織移植(connective tissue graft)という手術です。

 ← 根面被覆術

 3日目は、京都でご開業されている、スタディーグループの京都SJCD元会長である、窪田努先生を講師にお迎えし、マイクロスコープを用いた支台歯形成実習を受けました。
この支台歯形成というのは、例えば、セラミックや金属の歯を被せる時、被せる部分を予め一定の決まった形に仕上げる作業のことを言います。しっかりと精密に形を作っておくことが、その歯の適合(フィット)を高め、被せる歯と根の部分の隙間からできる、いわゆる2次的な虫歯の予防にも繋がります。窪田先生は、趣味のひとつにプラモデル制作があり、凄く精工なガンダムのプラモデルがスライドにでてきて、おぉー、凄い!と思いましたね。。

 ←支台歯形成模型のCADでの読み込み

4目は豚の顎骨を使用した、マイクロスコープ下での根面被覆手術、インプラント周囲歯肉の増大手術の実習を受けました。特にこのインプラント周囲歯肉の増大は、歯肉の幅と高さを同時に増生することができる手技で、非常に有効だと感じました。

 ←インプラント周囲歯肉の増大

 

約2週間の間に4日間の集中講義、実習を受け、頭と手の感覚も残りやすく、実際の臨床にしっかり生かせて行けると感じました。中田先生、窪田先生、本当にありがとうございました。1月に発刊された中田先生の技術書に中田先生の直筆サインを頂きました!
現在、当院で行っている歯周形成外科手術に、このマイクロサージェリーの技術を取り入れ、手術の精度を上げ、侵襲の少ない手術にすることによって患者さんの負担軽減や治療精度の向上を図っていきたいと考えております。

 皆様、これからはマイクロスコープの時代です!歯科治療のような細かい作業、精密な作業こそ、マイクロスコープを有効に使用するべきであると、私は強く感じております!!

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